一年と二ヵ月


帰り道、拓真が送ってくれると言って
2人で並んで歩く。

すれ違った女の子たちに
キャーキャーと騒がれる。

「あれ、芦屋さんと梅本君だよね!
超お似合ーい!!」

「美男美女ってあのことだよね。」

なんか付き合ってるみたいな
言い方されてるなぁ…

あたしには裕太しかいないっつーの!

しかも、

「こんなやつと付き合うなんて
あたしには無理っ!

―――――――てか?」

…………う。

「……ビンゴ。」

「俺もお前みたいな彼女はゴメンだよ。」

「あたしには裕太がいるからいいもーん。」

フン、とそっぽを向く。
裕太に愛されてれば、
それで十分だもん。

「拓真には…………」

「ん?」


あたしだって、
分からないほどバカじゃない。

……ま、今はいいか。

「なんでもなーい。」

「変なやつ。」

時期が来たら………ね。



〜ちょっとおまけ。終わり〜

_
< 78 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop