Vampires and roses ~ヴァンパイアと薔薇~
──────────────────────────




(助けて…助けて……エドガー…)




──ハッ…

「……今のは…」


「どうしたエドガー。」

エドガーの様子に首をかしげるクリス。


「…いや、なんでもない。」

(空耳か…。)


──────────────────────────


「ハァ……ハ……ハッ……」


「…やっぱりおいしいね。」


1分足らずの吸血行為が
アイリーンには何十分、何時間にも感じられた。


──トサッ


そのまま、倒れるように
ダレンにもたれかかると抱きあげられてベッドへ下ろされた。





──ジワッ…


人間のアイリーンは
治癒能力の高いヴァンパイアではないため、
シーツに大きな染みをつくった。


「ハッ…ハッ……ケホッ、ゴホッ……ケホッ…」


「あ~あ…風邪がぶり返しちゃったかな?」

そう言いながら
吸血の生々しい跡が残る首筋に手を触れる。

「やっ……」


すると、


──スゥ…‥・


綺麗に傷痕は消えていった。


< 15 / 27 >

この作品をシェア

pagetop