Vampires and roses ~ヴァンパイアと薔薇~
ダレンの城のすぐそばに
アイリーンの姿があった。
何もかもを忘れ、
‥‥走った。
‥‥夢中だった。
まるで甘い蜜の香りに吸い寄せられる如く。
「エド‥‥ガー‥。」
目に涙を浮かべているアイリーン‥‥
それもそのはず、
傷だらけの裸足、
着ていたネグリジェは
元から赤かったのかと思うほど血で染まり、
そして‥‥‥
首筋には‥‥
ダレンの、
あの、
青い薔薇の模様──‥‥
あれからアイリーンは意識を失ってしまい、
こうして部屋でまた眠りについている。
思いだすだけで、
憎しみ、悲しみ‥‥‥
たくさんの感情が込み上がってくる。
特に印をつけられたことに対しては‥‥