Vampires and roses ~ヴァンパイアと薔薇~
「ん・・・・・。」
気持ちよさそうに眠っているアイリーン。
たまに寝返りを打ってモゾモゾと布団の中で動く。
早くおまえをヴァンパイアにしてやりたい。
でも・・・
おまえに苦痛を与えたくはない。
そう、生と死の狭間にいるとでも言えよう。
そんな苦痛は・・・与えたくない。
「―フッ・・・・。」
今頃こんなことを言っても始まらない。
誰かに印をつけられたと言うことは・・・
その日の次に満月が現れるときに
印をつけたものへの忠誠が誓いたくなくても誓わされてしまう。
つまりは、
そう・・・
ダレンの言いなりになってしまう。
しかし・・・
おまえに苦痛を味合わせたくもない。
それでも・・・
実行するしかないのであろうか。
「そうだな・・・。」
椅子から立ち上がり、俺は決意を固め、拳を握りしめた。
「すまない――・・・」