華と…
雄一が好きだった。
好きだったから傷ついた。
――初めて好きになって、初めて結ばれて、初めて振られるなんて……
わたしはそのままベットを出ると、服を着るなり部屋を後にした。
もう一秒だって、雄一の側にいるわけにはいかなかった。
勢いついて歩くわたしの姿が、街のウィンドーに写っていた。
すらりと伸びた手足、長い髪、面長で切れ長の目、ふっくらとした唇。
一見地味だが、ハッと気を引く容姿の自分がそこにいた。
わたしは、モヤモヤとした違和感に襲われる。
――自分を壊したい、こんなの自分じゃない!
その足で、美容院へ行って髪を切った。
バッサリと潔く。
雄一への思いごと、捨て去ってしまいたかった、今までの自分を。