華と…



「華?」



「雄一に抱かれるのが嫌な訳じゃないよ。

でも、ここで抱かれたら、今までの雄一の努力が無駄になる。

わたし達には未来があるんだもの、わたし待てるよ。

気持ちを切り替えて、デートしようよ。

昔みたいに、手を繋いでさ。

映画観て、食事して、そして雄一の部屋へ行こう。

わたし達、気が張りすぎて、そんな普通のことも忘れてたんだよ、ねぇ?」


「華、もしかして怖気づいた?」


「な、何言ってんの?」


急に勢いを取り戻したわたしを怪訝そうに覗き込みながら、雄一の顔が少しだけ綻んだ。

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