華と…
都心にある割合派手な大学にあって、同じ地味な歴史研究会で。
華は所謂美人で、背も高く、どちらかと言えば目を惹くタイプの女で。
話してみれば、深雪とは性格も違う、どちらかと言えば勝気な女で。
それでも俺が彼女に深雪を重ねて見てしまうのは、そのあまりにも深雪に似た容姿だった。
惹かれたのは必然とでもいうべきか……
二人が深い関係になるのに、そう時間はかからなかった。
当然だな。
俺がそう望んだんだ。
華を深雪に重ねているのか、華が深雪に似ているから俺は華を求めるのか。
それとも、深雪に似ていることは単なるきっかに過ぎなかったのか。
華を傍に置きたいという気持ちが強すぎて、俺はその時、自分の本当の欲求を見定めることができなかった。