華と…
初めて華と身体を重ねた日、俺は夢を見た。
雪降る景色の中に佇む深雪の姿を。
深雪はじっと俺を見ていた。
只、じっと。
降りしきる雪は次第に吹雪となり、深雪の姿を覆い隠す。
俺は思わず叫んでいた。
深雪の名を。
俺は、消え行く思い出の中の深雪を呼び戻そうとしたのか。
いや、俺は、薄れ行く記憶中の深雪に別れを告げようとしたのだろうか。
目覚めると、隣りに眠っていた筈の華がいなかった。
その時は、勝気な性格の華が、目覚めた俺と顔を合わせるのが気まずくて、早々に帰ったのだと、気にも留めなかった。
華と一つになれた喜びは、それ程に俺の全てを満たしていたから。