華と…


だが、翌日、俺の思い込みは自分勝手な早合点だと思い知らされた。

バッサリと長い髪を切った華を見た時に。



「どういう心境の変化?」



そんな言葉で誤魔化したけれど、華は俺の寝言を聞いたのだと確信した。



今の俺にとっては、華は華で、深雪の代わりではなかったけれど。

深雪に似ていたから、華に惹かれたのは事実で。

そんな自分の後ろめたさを隠すように、何知らぬ顔で振舞った。



華は……

そんな俺の嘘を、気付かない振りして受け止めた。



ごめん。



俺はお前を傷つけた。

分かっていたんだ。

でも、あの時の俺はまだ確信が持てなかった。



この償いは、一生かけてしないとな。
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