華と…



その謎が解けたのは、五月も終わりの新入生歓迎コンパ。



お酒の弱いわたしは、一口飲んだビールに酔ってしまい、酔い覚ましに店の外に出て一人涼んでいた。

そこへ、奴が現れたのだ。



「二階堂さんも、酔い覚まし?」



そう声をかけてきたのは雄一だった。



「も、ってどういう意味かな? 畠山くんもお酒弱いわけ?」



わたしはいつもの攻撃的口調で応戦した。



攻撃は最大の防御なり。

わたしの座右の銘だ。

たいていの男は、わたしのこの先制攻撃に腰を引く。



だが、わたしの返事に、雄一はクスッと笑った。



「なんか、似合わないね、その言い方。

無理してない?」



見透かされた気がした。
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