華と…




<ガタン>と、車両が大きく揺れる音で目が覚めた。




時計を見ると、朝の五時。

まだ辺りは真っ暗だ。

ゴソゴソと寝台から這い出て、外の景色を確認した。



そこは……、一面の銀世界。



白いベールに包まれたように、勢い良く雪が舞っていた。


――吹雪だ……


列車は吹雪の為、一時停車をしたようだ。



そうだよ、わたしが向かっているのは、雪国なんだ。

その光景を見て、改めて納得した。

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