華と…
「あ、バレンタイン、チョコ忘れてた!」
「なんだ、なんだ、今日はもう15日だぞ」
「だって……」
あんまり色んなことが有り過ぎて、すっかり忘れてた。
「華が来てくれたことの方が、チョコよりずっと嬉しいよ」
しっかりと抱きしめられた腕の中で、雄一の声が耳に心地良かった。
――う~ん、ちょっとすっきりしないけど、まぁ仕方ないか……
「華、かまくらを見に行こう」
そんな温もりの中で、雄一が起き上がった。
「寒いよぉ」
「大丈夫、大丈夫。
帰ったら、また温めてやるからさ」
強く手を引かれて、仕方なくベットから起き上がった。