華と…
「お母様は、わかっておられると思いますよ。
運命を決めたんは、自分なのだから後悔はしないと。
あの時もそう決めて、それを貫いてきなはったんですから。
だから、きっと、運命を決める権利を、華はんにも与えてくれはると」
あたしの脳裏には、車窓から見た吹雪の情景が甦っていた。
全てを覆い尽くす白い雪。
母の諦めた愛も後悔も、涙も悲しみも。
全てを覆い尽くし、無に返す。
そうやって人は、自分の人生を受け止めていくのだろうか?
めぐり来る春を待ちながら。
母の春も再びやって来るといいな……
今のわたしには、それを願うことしかできないけれど。