華と…



雄一はと言うと……



「一年や二年離れたって、俺の気持ちは変わらない。

ゆっくり説得すればいい。

華は一人っ子だし、ご両親にとっては、宝物だろ?」


そんな悠長なことを言って、わたしを余計に不安にさせた。



一年も二年も、雄一と離れ離れなんて……



その間に、坂本との婚礼話が進んで、無理やり結婚させられたらどうするつもりなんだろう。


「それとも既成事実。

子供でも作って、無理やり認めさせちゃうか?

それはそれで、仲直りのきっかけになるかもよ」


なんて、いきなり恐ろしいことを言い出して。

わたしをうろたえさせた。



――いったい、どこまで本気なんだか……


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