ウソつき〜後悔した理由〜






***




『姉貴遅い!!』






ふてくされたように言う翔太。




「うるさいなぁ。黙って待ってな。
男は女に待たされる生き物でしょ」




『ひ……ひでぇ』





『今来たばっかりだから、大丈夫だよ。美音ちゃん。』






優しい笑顔で言う、陽。




「ほら。
聞いた?翔太。これよ、これ。これが言えなきゃダメよ。」




『これか………。』





うわ~~~~。



本当に信じた~~~~。




単純だな、翔太。




しばらく歩くと陽が急に立ち止まる。



「………陽??」



『何だよ、陽!!』





私達が聞いてもピクリともしない。



………陽??



『おい、陽。』



だ、誰?



見てみると、金髪であきらかにアッチ系です。って言ってるようなヤツがいた。




知り合い?



『何だよ。学校はプライベートだろ?

プライベートは踏み込まないルールじゃなかったっけ?』




………陽?



『あぁ、確かにな。

………けど、あの人がお呼びだ。


お前………コッチ用の携帯、電源切ってるだろ?
だから、俺が駆り出された……っつかパシられたわけ。』





あの人………?



話の内容から察するに、陽はアッチ系の人間ってこと?




あの人ってまさか!!




高橋翠!?



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