ウソつき〜後悔した理由〜
『………まだ起きてね〜みたいだな』
男の声が聞こえる。
『宮下のヤツ…強く殴りすぎたんじゃないのか?』
違う男の声。
“宮下”……?
まさか、私を殴ったゴツい男のこと?
『しゃ〜ね〜よ。
蓮のやつアホだもん。』
“蓮”?
宮下…蓮?
声からするに男の数は2人…。
……2人ぐらいだったら。
私の頭のなかで良くない考えが浮かぶ。
……ダメだ。
私はこの世界からは、もう…。
手を出しちゃいけない。
そ〜っと目を開ける。
薄目…というのだろうか。
『……てかどうする?
起こす?』
……後ろ姿しか見えないけど…
頭が…青い!?
もう1人は赤い!?
……すっげぇ色…。
けど…髪の色以外は何もかもがそっくり…。
後ろ姿だけど。
髪型…とか。
体格…とか。
『起こしたほうがいいんじゃねぇ?
起こしてこいって言われたんだろ?』
『OK〜!』
そういうと近づいてきた。
ヤバッ!
急いで目を瞑る。
『……お〜い、起きてくんねぇ?』
『……京。
そんな起こし方じゃ起きねぇよ。
変われ。』
……我が家?
『君〜起きてくれないと俺の…『言わせね〜よ!』』
……我が家!?
パクり疑惑浮上するよ?
いや疑惑じゃね〜か。
『起きないね?良。』
『起きないな?京。』
りょう?きょう?
……起きてやるか。
私は覚悟を決め、目を開けた。