ウソつき〜後悔した理由〜
『あ、起きた。』
『ほらな、京。
俺の起こし方が良かったんだよ。』
……違いますけど…。
……ていうか顔一緒?
………双子?
『君、大丈夫?』
え?
急に心配をされる。
『宮下のヤツ手加減知らずだから…。
仲間だから一応謝っとくわ。
ごめん』
『ごめんなさい』
2人して謝らないでよ…。
「……大丈夫です。」
俯きぎみに言う。
「あ…あの、ここは一体?」
『あ、あぁ。
ここは俺らのアジト。』
…アジト?
倉庫か…。
『ところで。
君、名前何て言うの?』
え?
名前知らないの?
宮下蓮は知っていたのに?
「……櫻井…美音。」
『へぇ〜、美音だなんて変わった名前だね〜!
……てか可愛い!』
『京。やめろ。恥ずかしいぞ。』
「……あの、あなたたちは?」
『あぁ、悪ぃな。
俺の名前は
井上 良太郎。
見てわかるとおり俺らは双子なんだが、俺はそれの兄だ。』
……いのうえ…りょうたろう?
だから“良”。
やっぱり双子か…。
『俺の名前は京太郎っ!
弟ですっ!
俺らの見分け方は
髪色が赤いほうが良!
青いほうが俺! …ね?』
赤いほうが兄の良太郎…
青いほうが弟の京太郎…
「……京ちゃんと良ちゃん…ね?」
『うん!』
『あぁ』
2人の声が重なった。
……何だか、この2人とは仲良くなれそう。
親近感?
…なぜだろう。
同じ闇を背負ってる。
そんな気が…した。