ウソつき〜後悔した理由〜




私がそう言うと、2人はハッとしたような表情になった。



『……ごめんね?』

『……ごめん。』


………2人して謝られたらどうすればいいのか…。


「……いえいえ…。
私のほうが、悪いですから…。」


……なぜか3人して気を使い始める。



『……てか、何で敬語なの?』


…………へ?



『……櫻井…美音ちゃんだよね?
何て呼んで欲しい?』


………へ?



「……な、何でもいいです。」


『そんなこと言わないで!
ね?』



…………ん〜?


「……ていうか、時間稼ぎしてません?」


『え。』


京太郎が焦りの声をあげる。



やっぱり。


『…ん〜、鋭いなぁ…。
実はね?
一応、起こして呼んでこいって言われたんだけど…。』



……呼んでこい?


「い、いやです。」


『でしょ?
だから、ここで時間つぶしちゃおうと思って。』



……自由〜〜〜。



……でも、命令に逆らうっていい度胸だな。



総長ナメられてんの?


「だ、大丈夫ですか?」

『あ〜、大丈夫。
連れてくるのが無理だったら、遊んであげろ
って言われたからね〜。』

な…何だそりゃ……。



「て…適当…。」



『うん。そうだね。』


笑いながら言う、京太郎。


な…和みますなぁ。



『で!暇つぶし!
何て呼んで欲しい?』



………ん〜…?



「じゃあ、逆に、何て呼べばいいですか?」


『俺らのこと?』


「はい。」


……てか今気付いた…けど。


ほとんど…ってか無駄話のときは京太郎しか話してない…。



良太郎は無口なんだなぁ…。



クール?


『じゃあ…俺のことは…京!』


…京。


『俺は良。』


あ…。良太郎が喋った…。

…良…ね。


『あ!敬語禁止…ね?』



……りょ、了解…。


「じゃあ…私のことは…美音で。」



『了解〜』

『わかった。』


………。


あれ?


私…誘拐されてるんだよね?



なんか…変…だよ?



「………何て名前の族?」


『俺ら?』



「うん。」



『教えていい?良。』


『族の名前くらい、い〜んじゃねぇ?』


ほら、京の許しも得たし?


『俺らは〜“帝峯”!』


てい…ほう?


…何か聞いたことあるなぁ?



忘れたけど。


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