いちご味
いちごが1つ
小さな小さな公園。
泣いている幼いあたし。
何歳の時だっけ。それすらもよく分からない。
「どうして泣いてるの?」
「……うぇっ、ヒック…、」
でも、隣にいた男の子のことは、何年たっても忘れないんだ。
泣いていた理由さえ、はっきりしないのに。
「コレあげるから、泣かないで。」
コロン。
可愛い包装紙につつまれた、小さな小さな丸い砂糖菓子。
その時のあたしには、宝物のように見えた。
「………ありがとう。」
「うん。」
しょっぱい涙の味を消してくれた、甘い甘いいちご味のキャンディ。
ねえ。
君はだーれ?
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