ビターな恋

「うーん、やっぱり席は遠いね。」


「大山と八城だもんね…仕方ないかぁ…」

黒板に貼られた座席表を眺めていると、亜梨紗が制服の裾を引っ張った。


「どうかした?」


「つばさ…なんか皆に見られてる…」


振りむくと、クラスメイト達が私達を見ていた。


「あー…これは…」


「何で?私達…なんか変なのかな?」

クラスメイトが見てるのは私達…じゃなくて、亜梨紗だ。


中学の時もクラス替えの度に、似たような状況になっていた。


「変じゃないよ。大丈夫、そのうちおさまるから。」


「そう…?

でもなんか居心地悪い…カバン置いたら廊下で話そ?」


「うん、わかった。」

私は亜梨紗と一旦別れ、自分の席に向かう。


カバンを置いて、廊下に向かった。

亜梨紗は先に出ていた。



< 29 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop