ビターな恋
「うーん、やっぱり席は遠いね。」
「大山と八城だもんね…仕方ないかぁ…」
黒板に貼られた座席表を眺めていると、亜梨紗が制服の裾を引っ張った。
「どうかした?」
「つばさ…なんか皆に見られてる…」
振りむくと、クラスメイト達が私達を見ていた。
「あー…これは…」
「何で?私達…なんか変なのかな?」
クラスメイトが見てるのは私達…じゃなくて、亜梨紗だ。
中学の時もクラス替えの度に、似たような状況になっていた。
「変じゃないよ。大丈夫、そのうちおさまるから。」
「そう…?
でもなんか居心地悪い…カバン置いたら廊下で話そ?」
「うん、わかった。」
私は亜梨紗と一旦別れ、自分の席に向かう。
カバンを置いて、廊下に向かった。
亜梨紗は先に出ていた。