ビターな恋
改札を通って、自宅へと向かった。


「だだいま〜」

家に着き、玄関に入ると…


「……何だこれ…」

見慣れない、男物の靴があった。


《あれ、でも意外とサイズは小さい…

いや、そんなことより何で男物の靴…?》


「京平お帰り。早かったわね。」

キッチンから母さんが出てきた。


「だだいま母さん。

あのさ、この靴って…?」

母さんは菜箸をピシッと上に向けて

「亜梨紗の友達が来てるの。

一緒に受験勉強してるみたいね。」

…友達?


「……そいつの名前は?」


「八城つばさ……って名前だったかしら?」

男物の靴に、『つばさ』という名の友達…


母さん、違うよ。

友達じゃなくて…彼氏だ!!

< 3 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop