ビターな恋
「つばさぁ…」
「亜梨紗、大丈夫だから。」
「でも…なんか視線が…」
《そりゃ皆、亜梨紗を見てますから。》
苦笑いを浮かべながら亜梨紗の頭を撫でる。
今も、廊下を通る同級生達がちらちら亜梨紗を見ていく。
「まったく…亜梨紗は無自覚なんだから…」
「へ?何が?」
「ううん、なんでも無い。
でも亜梨紗、これから皆と仲良くなっていかなきゃいけないんだからね?今の出来事があったからって、壁作んないでよ?」
「…わかった。頑張る。
つばさより大きい子いるかな?」
「どうだろ。バレーで無駄に伸びたからなぁ…」
「でもつばさ、すらっとしててキレイで、モデルさんみたいだよ‼」
「気を遣わないでいいよ、亜梨紗」
「ホントのことなのにぃ」
亜梨紗は頬を膨らませた。