ビターな恋
彼はすぐに目をそらして、席に座った。
《…?なんか…ずいぶんすばやく目をそらされた気が…
ま、いっか》
深く考えず、壇上に再び視線を戻した。
『新入生退場』
アナウンスにしたがって、ぞろぞろと体育館を出ていく。
「つばさ」
「あ、亜梨紗…って、寝てた?」
「あ、わかる?」
「眠そうな顔してる。」
「うとうとしちゃった。
あ、でも、代表の子の挨拶は聞いてたよ?間中君…だっけ。
あの子つばさより背高かったね‼」
「そうだね。
あ、ちょっとトイレ行っていい?」
「うん‼私も行きたかった‼」
教室に戻る前に、私達はトイレに向かった。