ビターな恋

手を洗いながら亜梨紗を待っていると、廊下で話す人達の声が聞こえる。


「今年の新入生、レベル高くね?」


「思った‼特に二組の二人組‼」


《先輩か…》

水を止め、ハンカチで手を拭く。


二組は、私のクラス。一人は亜梨紗だろうけど…もう一人?


「一人は大山先輩の妹だってよ‼」


「もう一人は!?」


「それがわかんねぇ…新入生代表の、後ろに座ってた子だよな?」


「そうそう‼身長でかくて、キレイ系‼」


《……え?もしかして…》


ハンカチをたたんでいた手が止まる。

「つばさのことだね‼」

いつの間にかトイレから出てきていた亜梨紗がにこにこ笑いながらそう言った。



「亜、亜梨紗」


「ね?つばさは美人さんなの‼」

手を洗い、拭きながら亜梨紗はほほ笑む。



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