ビターな恋
亜梨紗side
「ただいまー」
私がテレビを見ていると、お兄ちゃんが帰ってきた。
「お帰り、ごはんは?」
「食う。」
そんなやり取りをお母さんとしてから、私の元にやってくる。
「あーりさ‼ただいま‼」
私の首に抱きつく。
過度なスキンシップだってわかってるんだけど、もう慣れちゃったから何も感じない。
「お帰り、お兄ちゃん」
「学校どうだった?」
「うーん…優しそうな子がたくさんいたよ‼」
私が笑顔を向けるとお兄ちゃんは
「そうかそうかー」
と私の頭を撫でくりまわした。
「京平、ご飯用意したから。
早くうがいとかしてきなさい。」
お母さんがため息をつきながらそう言うとお兄ちゃんは渋々…といった感じで私から離れ、洗面所に向かった。