ビターな恋
「まったく…京平は亜梨紗を溺愛しすぎよねぇ。
治らないのかしら?」
「難しいと思うよ?」
「そうよねぇ…亜梨紗が困らないなら良いんだけど。」
私も、慣れたとか言っておきながら、実際は困ることもある。
男友達を家に招くこともできないし、もし招いたって、お兄ちゃんが変に威嚇するのだ。
しかも、私の大好きなつばさのことを男の子と勘違いするし…
あれだってつばさが…
「さーて、食べよう。
…亜梨紗?どうした?」
「…別に?つばさが優しい良い子でよかったなぁって思って。」
「?ふーん…」
お兄ちゃんは席に着いてご飯を食べ始めた。
「あ、そうだお兄ちゃん。福井先生って知ってる?」
「福井先生?
あー高校二年の時担任だった先生だ。
その先生がどうかした?」
「なんと‼
私とつばさの担任の先生なのです‼」
「へぇー‼すごい偶然だな‼」
お兄ちゃんは笑いながらお箸をどんどん進めていく。