ビターな恋
急いで階段を駆け上がり、亜梨紗の部屋の前に立つ。
ドアを開けようとした時、中から声が聞こえてきた。
「三、ニ……」
「ま、待ってつばさ!!」
「ダメだよ亜梨紗、もう待てない」
「で、でも…
………あっ!!」
ここまで聞いて、ドアを開けた。
「何してるんだ!!」
「わかったぁ!!平清盛でしょ!!」
「正解!!よくわかったね、エライ!!」
「……お兄ちゃん?何してるの?」
「あ…いや…」
亜梨紗と、『つばさ』の間には机があって、さっきのはただ問題を出しあっていただけだった。
「君が…つばさ?」
「え…はい。」
「亜梨紗から離れろ」
「……は?」
俺はグイッと『つばさ』の手を引っ張った。