ビターな恋
…きっかけ
つばさside
高校に入学してから、約一カ月が経とうとしていた。
クラスの子とも仲良くなり、あの妙な視線も完全にではないけれど、無くなっていった。
「つばさーおはよう‼」
仲良くなったクラスメイトが背中を叩く。
「あーおはよう‼」
その子は私の隣に立った。
通学路は同じ制服で埋め尽くされている。
「あれ、今日亜梨紗は?」
「寝坊だってさ。先行っててって言われたから…」
「あーだから珍しく一人なのね。」
あはは、と声をあげて笑った。
その子と話していると
「八城さん、おはよ」
「あ…間中君‼おはよう‼」
後ろから間中君が現れた。
間中君も横に並び、三人で学校に向かった。