ビターな恋
「あのね、明日からゴールデンウィークでしょ?
つばさ、何か予定あったりする?」
「ううん、特には…」
「よかった‼じゃあ明日、うちに来てよ‼
高校入ってからまだ一回も来てないでしょ?」
「そう言われれば…」
私は高校に入ってから亜梨紗の家にお邪魔した記憶を探す。
でも思い当たるものがなかった。
「じゃあ明日お邪魔するね‼」
「いっそ泊まる?」
「ええっ!?」
「うちは大丈夫だよ‼お母さん、つばさのこと好きだし、お父さんは出張中だし…」
「うーん…じゃあ私のお母さんに許可もらうね。」
「やった‼」
亜梨紗は満面の笑みを見せた。
《やっぱり可愛いなぁ…》
亜梨紗の笑顔に和んでいると駅に着いた。
電車に乗り込み、席に座る。
「亜梨紗のお父さん、今回はどこに行ってるの?」
「今回は…シンガポール?だったかな。長くいなきゃいけないって泣いてた。」
「ああ…そりゃあかわいそうに…」
こんな可愛い亜梨紗と長く離れなきゃいけないなんて、想像しただけでも涙が浮かんでくる。