ビターな恋
家に帰ってお母さんに話してみると、あっさり許可が下りた。
そのことを亜梨紗にメールすると、余程嬉しかったのかハートマークがたくさん並べられた返信が送られてきた。
大きめのカバンにお泊りの仕度をしている時、私はあることに気がついた。
《あれ…亜梨紗の家にお泊りってことは…京平さんもいるってことだよね…!?》
そのことに気づいた途端、荷物を詰めていた手が止まる。
「……この下着とかパジャマで…平気かな?」
…いや、だめだ‼
私は荷物をひっくり返してもう一度下着、パジャマ、服を選びなおした。
選び終わって荷物を詰め終わった時には、部屋の中が悲惨なことになっていた。
「あー…片づけなきゃ…
…ていうか私、何で下着まで選びなおしてるんだろう…」
パジャマや服は、わかる。失礼にならないように気をつけなきゃならない。
でも下着は…どうせ見られることなんてないのに…
かああああああ
一人で顔を赤くして部屋を片付け始めた。
下着を選びなおしたのは、『亜梨紗に見られても恥ずかしくないように』
そういうことにしておいた。