ビターな恋
「お兄ちゃん、どこかに行ったの?」
いつの間にか戻ってきていた亜梨紗がそう聞いた。
「そろそろ戻ると思うんだけど…」
亜梨紗のお母さんはチラッと時計を見た。
「ふーん…。ま、いっか‼つばさ、見てほしい番組があるの‼」
私は亜梨紗に引っ張られて、テレビの前に連れてこられた。
番組を見始めて数分経った時…
「ただいまー」
京平さんの声がした。
「お兄ちゃん帰ってきた‼」
私は玄関に向かって
「お邪魔してまーす」
と挨拶した。
「つばさ来てたの?」
京平さんがリビングに入ってきた。
「今日は亜梨紗に誘われて、お泊りすることに…」
そう言った時、
「お邪魔します‼」
京平さんの後ろから、きれいな女の人が顔を出した。