ビターな恋
《何だこいつ、案外軽いな。
身長も俺より低い…
まぁ俺は188あって高い方だけど…
175くらいか?》
「あ、あの、亜梨紗のお兄さん…?」
「亜梨紗だぁ…?
呼び捨てにするな!!
しかも野郎なんかに『お兄さん』なんて呼ばれたくない!!」
さぁ出てけ、と腕を引っ張っていると、亜梨紗がつかつかやってきて、俺の手を叩いた。
「痛っ」
「お兄ちゃんの……バカァ!!」
「バ、バカ!?」
クラッとしてしまう。
「あ、亜梨紗…?」
「つばさは…女の子!!
野郎とか言わないで!!」
亜梨紗が涙目になりながら叫ぶ。
「へ…?」
「えっと…八城つばさ
………女です。」
つばさはペコリと頭を下げた。