ビターな恋
京平side
「亜梨紗ちゃん相変わらず可愛いなぁ」
部屋に入った仁美は、最初にそう言った。
「俺の妹だからな」
「あは‼まだシスコンぶりは健在だね」
仁美は笑顔を浮かべた。
俺たちは遠距離恋愛中だ。
最初のころは頻繁に連絡を取り合っていたが、お互い大学の課題や、人づきあいで忙しくなるにつれて…
連絡をとる回数は目に見えて減っていった。
「仁美、大学どう?」
「楽しいよ‼京平は?」
「課題とか多いけど…充実してるかな。」
俺はベッドの前に座った。
そんな俺の隣に仁美は腰を下ろす。
何気なくテレビをつけた。
「…DVDでも見るか」
「そうだね」
俺は近くの箱を取り、仁美にどのDVDが見たいか選ばせた。