ビターな恋
映画が終了し、俺はDVDを取り出した。
仁美の様子を見ると…
顔は真っ青に青ざめていて、体も小刻みに震えていた。
見るようになったとはいえ、苦手な物は苦手なんだろう。
それに今のDVDは結構グロかった。
「…仁美、大丈夫か?」
「だ、大丈夫‼」
…そんな青い顔で言われても説得力がない。
俺は小さく笑って
「今冷たいものでも持ってくるな」
部屋を出て、階段を下りた。
リビングに入り、キッチンに向かうとそこにはつばさがいた。
「あれ、つばさ何やってんの?」
「…亜梨紗が寝ちゃって」
つばさはそう言って苦笑いを浮かべた。
「だからって…そんなことしなくても」
つばさは、自分と亜梨紗が使ったグラスを洗っていた。
「でも、今日泊めさせてもらうからこれくらいはしないと‼」
「…そっか」
口元にうっすらと笑みが浮かぶのがわかった。
「京平さんはどうかしたの?」
「あー俺が…っていうより仁美がな。
ホラー映画見たら顔真っ青になっちゃって…」