ビターな恋
「なるほど…そんなことが…」
亜梨紗はうーん、と腕を組み、考え込む。
「…つばさ」
「ん?」
「間中君さ…きっとつばさのこと好きだと思う。」
「ええ!?」
私は大きく目を見開いた。
亜梨紗はグイッと顔を近づけて
「だってさ、間中君、つばさと仲良いし、お似合いって言われて否定もせず、しかもつばさのこと可愛いって言ったんだよ?」
「そ、そうだけど…可愛いなんて私だって亜梨紗に言うし…」
「同性が言う可愛いと、異性が言う可愛いは含まれてる意味が違います‼」
亜梨紗は顔を離して、正座した。
そこにちょうど京平さんがやってくる。
「あ、ちょうど良いところに‼お兄ちゃん‼」
「どうした?」
「ちょ、ちょっと亜梨紗‼」
京平さんは迷わずこちらに向かってくる。
しかも亜梨紗に呼ばれたから微笑みを浮かべながら…
そんな表情をまっすぐ見ることができない私はどうかしてる。