ビターな恋
亜梨紗はそんな私に気づくことなく…
「あのさ、男の人が言う可愛いって、単純な褒め言葉だけじゃないよね?」
「…亜梨紗が誰かに言われたの?」
京平さんが黒い笑みを浮かべる。
「私じゃなくて、言われたのはつばさ‼」
亜梨紗がそう言うと京平さんは私に視線を移して
「つばさが…?」
「な、なに?」
「……ふーん、へぇ、ほぉー…」
ニヤニヤして楽しそうにした。
そして
「まぁ、単なる褒め言葉じゃないのが大半だな」
そうきっぱり言い放った。
「やっぱり‼」
亜梨紗は手を叩いて喜ぶ。
「で、でも、大半でしょ?もしかしたら間中君はそんなつもり無いかもしれないし…」
「へぇ、間中君って言うんだ。可愛いって言ってくれた相手」
京平さんはニヤニヤしながらソファーに座る。
「あ…」
「つばさったら自分で言っちゃったね‼」
亜梨紗もニヤニヤしている。