ビターな恋
「ああ、もう!!」
「ところで亜梨紗、お兄ちゃん詳しくこの話聞きたいなー」
「うんいいよ!!」
亜梨紗はにっこり笑って承諾した。
「ちょっと亜梨紗!?ダメだから!!」
「つばさに拒否権はないぞ。うちに泊まるんだから我慢しろ」
「で、でも…
……わかった、亜梨紗に話されるくらいなら自分で話す…」
私は諦めて、京平さんにも話すことにした。
京平さんの口角が、待ってましたと言わんばかりに上がる。
「実は昨日の朝……」
私が話し出すと、一度聞いた亜梨紗が目を輝かせた。
「へぇ…そんなことが…」
「はぁ…間中君やるなぁ…」
亜梨紗は、ほぅ…とため息をついた。
「つばさは間中君と付き合う気はないの?」
「つ、付き合うって…早くない?まだ入学してから一カ月くらいしか…」
「つばさ…いる子には、もう恋人いるんだよ」
「う、うそ…」
亜梨紗とそんなことを話していると、不意に京平さんが立ち上がった。