ビターな恋
なんとかパスタを食べ終え、亜梨紗とゆっくりしていて、ふと時計を見るともう二時を回っていた。
「あ、そろそろ…」
「えー‼帰るの!?」
亜梨紗が立ちあがった私を見上げる。
「お母さんにね、言われてるから」
「早すぎだよー」
亜梨紗がぷくっと頬を膨らませる。
《か…かわいい…‼》
グッと抱きつきたい衝動をこらえて、ごめんねーと言いながら亜梨紗の部屋へと上がる。
もうすでに荷物はまとめていたので、持つだけだった。
バックを持ち、亜梨紗のお母さんがいるリビングに顔を出す。
「あらつばさちゃん、もう帰っちゃうの!?もう一泊していってよ‼」
「いえ、母に怒られますから。お世話になりました」
私は笑いながら玄関に向かい、靴を履く。
亜梨紗も、亜梨紗のお母さんも玄関まで来てくれた。
「じゃあまた学校でね、亜梨紗」
「うん…」
「亜梨紗のお母さん、ありがとうございました」
「また泊まりに来てね‼」
私は笑いながら軽く頭を下げ、亜梨紗の家を後にした。