その信頼は「死ね!」という下種の言葉から始まった[エッセイ]
 全てを納得してくれなくてもいい。共感も賛同も要らない。

 ただ『知って』ほしかった。


 恩師と私の信頼関係は、
「死ね!」という下種の言葉から始まったのだ。


 恩師の生徒にかけた言葉は下種だったとしても

 恩師の教育への情熱と、
 恩師から学んだことと、
 その信頼関係は、

 下種でも軽蔑されるものでもないと、私は信じている。



「この言葉は誰かが傷つくかもしれないから配慮してほしい」


 と、傷つく人の気持ちを思いやる心があるならば、

 その言葉を言った人が、なぜ言ったのか?
 どんな価値観と背景と考えがあって言ったのか?

 それを知って許容する(もしくは受け流す)心も、できれば持っていたほうがいいと思う。

 同じ言葉でも、愛を持って言ったのか。
 悪意を持って言ったのか。

 正しく感じとる心を。
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