その信頼は「死ね!」という下種の言葉から始まった[エッセイ]
 百人一首とその作者名を全て覚えるために、毎回授業で順番に一首ずつあてられ暗唱するという課題があった。

 観月はあてられて、歌は覚えていたが作者名がどうしても思い出せなかった。
 やはり容赦なく


「死ね!」


 その後、必死で覚えなおした作者名は二度と忘れなかった。
 もしも優しく

「次はちゃんと覚えてきなさいね」

 なんて言われていたら、覚えられなかったかもしれない。





 ……柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)でした。
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