Under Tamiflu 灰色の天使
俺は今、腕組しながら
貯水槽のタンクにもたれ

目の前の光景を
ただ呆れて観ているだけ。

ココは
どこかの会社のビルのてっぺん。


全く___ しちめんどクサイ


今なら

ポップコーンのスモールでも
千円出したって買っちまいそうだ。

シャツに黒皮のジャケットを
羽織ってるこの俺は

一回死んでるから平気だが・・

あんなトコでクソ寒いだろうに、

目の前の女・・いや、

アイツよりは年下かな。


昼前だぜ____?


少女と呼ぶべき女が
靴と遺書代わりの携帯を置き

ビルの屋上の柵を越え

羽ばたこうとしてやがるんだ




__ 何所まで飛べると思ってる?



バカだな お前の魂は

落ちてそのまま

地の底を潜ってくンだ・・


そしたら俺とはもう

ココでバイバイって訳さ


そこからの面倒は

俺よりキツイ奴等が見てくれる

ラクにナルのも一瞬だけさ




「フーン、・・・・シロか」


そうそう、タイクツしてたんだ。

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