Under Tamiflu 灰色の天使
生きている証拠は別の事で
確かめれば済むものを・・

このままでも結局は同じ事を
この女は繰り返すだろう。

自分に嘘をつき始めたら
一生自分でセメントを
溶き続けなきゃナンねえ。

そうなりゃ・・自ら築いた
壁で何も見えなくなっちまう。

差し伸べられた手の中には
優しい手もあるって事も
気づかずに。

俺の吐いた煙は
諦めの溜息と混じる。

煙草を足でにじり消し、
後を振り返った。


「氷が融けたらお前は事故扱い
で↑行き。ロクデナシと一緒に
ブザマでイタイ姿を"見せ合っこ"
したいなら地獄へダイヴ・・OK?」


そうそう
付き合っても居られない。

泣き声が止まった女に再確認。

この距離なら
余裕で落下途中で気を失う。

地面に叩き付けられて痛みを
感じた瞬間にはどっちかに着く。


「じゃあな、悲劇のヒロイン。
どっちを選ぶかお前の自由さ。」

そこで泣いていても
御日様に遠慮はねえんだ。

お前が選んだ事さこれ以上
もうトヤカクは云わない。

まだ他にもイイトシした
甘えん坊が俺を待ってるから。

最後に俺はようやく顔を上げた
女の言葉を待っていたんだ。

「貴方も・・私を見捨てるの」

「原因があったってコトだろ?
口に出すのは良く考えてからだ」

特にお前みたいな
誤解されやすい・・優しい女はね。

その間の抜けた所が・・男を
付け入らせるんじゃねえかな?


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