Under Tamiflu 灰色の天使
魂から声を出せ
瞬きした瞬間に
彼はそこから忽然と姿を消した。

( 置いて行かれた・・。)

呆然と手を伸ばした手を
浮かせたまま・・音を立て始める
氷の板に心臓を揺るがしていた。

私はこのまま死ぬ・・死神曰く
ロクデナシの元へ行くか
推奨された事故死をするか。

後、4日生きれた筈なのに・・
"ポスト"か・・上手い事云うよネ。

不安も悲しみも
淋しさも侘しさも・・恐怖も。
何も感じない"ポスト"は幸せだ。

ピキッ・・!

また音がする。ああ、凄い亀裂。
ちょっと動いただけなのに。

ヒビの模様で下の怖ろしい
高さも見えなくなって来てる。

"本当に愛してたなら・・"

薄々解ってた、彼の口実なんか。

でもどこかで・・彼は、
私にだけは本気だったと思って。

死んだ人を疑るより、ずっと・・
信じていてあげたかったのだ。

___彼はそれを美化と云った。
< 36 / 95 >

この作品をシェア

pagetop