Under Tamiflu 灰色の天使
"忘れんといて・・、"
「・・・UT? どうしたの?」

会話が途切れた、
ほんの少しの間に・・
俺は耳を澄ましていた。

空耳ではないらしい。

パイプイスから
立ち上がると声の方向を探す。

「悪い、今日はもう
失礼するよ。また明日な。」

「・・・うん・・。」

そう云いだして既に
ドアに手を掛けていた俺に
麻美はポカンとして
頼りなく手を振ってた。

( 同じ病院に運ばれたか )

俺の持つ
リストは死神のとは違う。

まだ生きられるのに早まって
死のうとするヤツらのリストだ。

その中でも特に残る女の声が・・
俺の名を呼んだんだ。

「奈津子・・。」

声を追って辿り着いたのは
集中治療室で
彼女は今そこから運ばれようと
している最中だった。
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