Under Tamiflu 灰色の天使
人の死を目の当たりにしてやっと
もうあと
4日しかない所で目が醒めた・・。

「・・・どうした?」

「うっ・・っひッく・・・。」

立ち止まって
俯いた踊り場で私を覗き込むUT。

貴方が・・
女に愛されるのが良く解る。
あの女性と接する彼の横顔を見た。

中性的でいつもは鋭い
眼光さえ放つ瞳は穏やかで優しく、
とてもじゃないけど
死神とは思えもしない。

彼女が強がったのはきっと
優しすぎる死神を
悲しませたくなかったから・・。

なのに私ときたら、
そんな人を沢山見て来たであろう
UTの辛さも考えなかった。

「ごめん、ごめんね・・UT、私・・!」

ポタポタ、ポタポタ、床に落ちる涙。
両手の甲で
涙を拭いて手がヒリヒリしてきた。

子供・・、本当に子供だ・・

そう思うと情けなくて悲しくて、
涙が止まらなかった。
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