Under Tamiflu 灰色の天使

「ﾌｩ･･昨日の事なんですけどね?
あの人も･･
手を貸してくれるそうですよ。」


"私に出来る事があるなら何か
させて貰えるといいのですが･･"

そう云ったという彼女を
ふと目を伏せて思い浮かべてる。

「そうか、そりゃ嬉しいね・・。」

アイツも実はアーメンで、
この神父には子供時代から
世話になっていた。

まだ世間では噂だけだが・・
あの色男と婚約したって話だ。

今日は、その報告も兼ねて
ミサを受けに来たらしい。

俺は云った筈だぜ? 色男。

"アイツと結婚しろとは
云わねぇ"ってな・・?

フフ。さては彼女が
他の男にチョッカイ
掛けられてるのを知ったか。

その方が賢明だ。アイツを
欲しがる男は多いんだから。

「ﾖﾛｼｸ云っといてくれたかい?」

「喉まで出掛かったんですがね?
ふふっ。アッ、」

俺はおどけた顔で2、3度軽く頷き、
悔し紛れに神父のチョコをヒトツ
くすねてパクリとヒトクチだ。

･･･そりゃそうだ。解ってるさ。
万が一
"会いたい"と云われたら困る。

「・・・うっ。」

「どうしました?」