Under Tamiflu 灰色の天使
食べたチョコに愛情を感じてる
死神は俺ぐらいなモンだ。

なぜか? アイツ、
俺がダーク・ラムが嫌いなのを
覚えてたからさ。

俺の箱からは、紛れもない
チェリーマルニエの香りがしてた。

コレは神父用に作られた
トリュフ。ラム入りだった・・不覚。

くそ、臭いも嗅ぎ分けずに
口に入れちまうなんて。

思わず出されていたアッサムの
ストレートをガブ飲みしてる。


「しかし、日本は良い国ですね。
女性からこんな
素敵なものが貰えるなんて。」


・・・そうか、アメリカは
チョコと決ってないし、逆か。

そう、例え普段チョコを食べ
ない俺の様な男でも
この時期の物だけは
貰えれば嬉しいモンなんだ。

チョコより、
気持ちが嬉しいんだよな?

さらに好みの味に作られた
手作りなら余計にクソ嬉しい。

・・・・・・・。

「ワリィ、神父さん。また来るわ。」

「え? もうお帰り?」
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