Under Tamiflu 灰色の天使
リハビリ室に着き、寝台に
うつ伏せになる。低周波治療の
パッドを当ててくれる彼の云う
事はいつも同じ。
「・・痛かったりしたら云ってね。」
何故か凄く溜める。
今日は溜息を吐かれなかった
だけ、マシに思った。
痩せすぎた筋張った背中を見て、
きっと・・彼は
私を哀れんでいるのではないか?
もし・・もしもだ。
私がこの先生に、「OK」の
サインを出したとしてだ。
たった3日付き合えと云うのか?
残される彼の気持ちはどうなる?
・・・UTも残酷な事を言う。
「ハイ、これ。」
部屋には私と彼だけになりつつ
ある。手渡された雑誌。
一通りの治療を終えると女性の
助手が爽やかに笑って会釈。
汚れモノの籠を
抱えて出て行ったのだった。
もしかして・・気を利かせた
ワケじゃないでしょうね?
「ドライブ特集・・ガイド本?」
「そう! 何処か行きたい所
ないかなって思って。」
「別に行きたい所なんか・・。」
嘘・・本当はいっぱいある。
私には解ってるけど迫ってる
寿命の事なんか彼は何も知らない。
彼が可哀相・・、
ダメだよ、UT。私には出来ない。
とうとう
机に地図まで開き出した姉原を
私は身を起こした台の上で、
哀れに思いながら眺めてしまう。
やっぱり・・、
デートなんか出来ないって
今のうちに云わなきゃ・・!
傷は浅い方が
いいに決っているんだから。
「あの、私・・・! 」
______ パチン!
ん?
今、指を鳴らす音がしなかった??
「ん、ナニこれ?? 僕にくれるの?」
「エ・・ア!??」
手に持っていた筈の、
突き返そうとした、ざ、雑誌がぁっ!?
いつの間にか、
ナンらかの箱に摩り替わってる!!?
何の箱よッ・・?
キッ!! こんな事が出来るのは
1人しかいない。
振り向いた彼と私の間に立っている
ニヤニヤ笑ってる腕組の死神。
・・タイミングよ過ぎ!
「えっ・・・あ、いや・・。」
・・UT~!!!!
早く、その本返してっ!!
うつ伏せになる。低周波治療の
パッドを当ててくれる彼の云う
事はいつも同じ。
「・・痛かったりしたら云ってね。」
何故か凄く溜める。
今日は溜息を吐かれなかった
だけ、マシに思った。
痩せすぎた筋張った背中を見て、
きっと・・彼は
私を哀れんでいるのではないか?
もし・・もしもだ。
私がこの先生に、「OK」の
サインを出したとしてだ。
たった3日付き合えと云うのか?
残される彼の気持ちはどうなる?
・・・UTも残酷な事を言う。
「ハイ、これ。」
部屋には私と彼だけになりつつ
ある。手渡された雑誌。
一通りの治療を終えると女性の
助手が爽やかに笑って会釈。
汚れモノの籠を
抱えて出て行ったのだった。
もしかして・・気を利かせた
ワケじゃないでしょうね?
「ドライブ特集・・ガイド本?」
「そう! 何処か行きたい所
ないかなって思って。」
「別に行きたい所なんか・・。」
嘘・・本当はいっぱいある。
私には解ってるけど迫ってる
寿命の事なんか彼は何も知らない。
彼が可哀相・・、
ダメだよ、UT。私には出来ない。
とうとう
机に地図まで開き出した姉原を
私は身を起こした台の上で、
哀れに思いながら眺めてしまう。
やっぱり・・、
デートなんか出来ないって
今のうちに云わなきゃ・・!
傷は浅い方が
いいに決っているんだから。
「あの、私・・・! 」
______ パチン!
ん?
今、指を鳴らす音がしなかった??
「ん、ナニこれ?? 僕にくれるの?」
「エ・・ア!??」
手に持っていた筈の、
突き返そうとした、ざ、雑誌がぁっ!?
いつの間にか、
ナンらかの箱に摩り替わってる!!?
何の箱よッ・・?
キッ!! こんな事が出来るのは
1人しかいない。
振り向いた彼と私の間に立っている
ニヤニヤ笑ってる腕組の死神。
・・タイミングよ過ぎ!
「えっ・・・あ、いや・・。」
・・UT~!!!!
早く、その本返してっ!!