Under Tamiflu 灰色の天使
クルクルクルクル・・

階段の手前まで来て
指で回してたクマ・ぱんを

バッ!
女が後からジャンプで奪い取る。


「ヘンタイ・・!」

「次やったら、全裸覚悟な。」

「一体なに? どーやったのよ!」

「アー、ウルセエ・・。
もう用はねーだろ? 帰れ。」


俺はこの類の女が苦手だ。

階段を降り
エレベーターのある所まで出た。

チャイムが鳴る前で良かったぜ。

同じエレベーターに乗って来て
女はギャアギャアと云ってるし。


「警察に突き出してやる・・!」

「あっそ。じゃーな。」

「待ちなさいよ、アッ・・!?」

俺の腕を獲ろうとしてスカッと
女の腕が空を切る。

そりゃ呆然とするわな。


「お前に死ぬ意思がある限り、
俺が見えたり聞こえたりする。」

「アンタ、ユーレイ??」

「まさか」

「じゃ、何だって云う、」

「死神以上、天使未満」

「ハア?・・あ・・。」


死ぬ気の萎えたこの女に、
触れられることもなく

パッカリと口を開けたマンマの
女を放ってスタスタと歩き

彼女の目の前から
煙の如くその姿を消した。

俺は元・死神(当番)。

但し、
プラスアルファのお役目を持っている。

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