Under Tamiflu 灰色の天使
「彼女が知ったら、次回のお供え物は
"禁煙パッチ"か"ニコレッ○"だね。」

「ウルセエ」


誰が死神の体を心配するんだ?
余計なコトは知ってやがるクセに‥。


「そう、何でも知ってる。」

「読むな。なら、
俺はアンタにハメられたのか?」

「いや、あのミスは・・
起こるべきミスだった。」


"神"の真意が解らない。
褒めになどわざわざ来るもんか。


「そしてUT、忘れちゃいけない。
この仕事が"罰"であると云う事を。」

「・・・何?」


俺は煙草を踏み付けたまま
ヤツの顔を見据えた。

俺が険しい顔をすれば不気味な
ほどにニッコリ、笑ったのである。


「・・・俺が、
何かミスったと云うのか?」

「覚えておいて・・私は"神"だ。
来る者は拒まないから。」

「・・・・。」


ナゾかけの様なヤツの物言い。


(  密会じゃないらしいな )


一度視線だけを背後に流すと、
"神"は片目をバチ! と閉じやがった。


「では・・健闘を祈る」

「あァ」

俺が軽く手を上げると
麗人の幻は砂の様に金粉を撒き散らして
その姿を消していった・・。

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